設計のループ
1920点の実部品から選んで置き、線でつなぐだけ。定数はあとから自由に変えられます。
回路がそのまま解かれて音が出ます。波形とスペクトラムも同時に見えるので、耳と目の両方で確認できます。
誤配線チェックが常に走ります。実測に基づく改善提案は、ボタン一つで回路に反映できます。
IN から先が GND に落ちていません。入力インピーダンスを決める抵抗を入れてください。
出力段の 100n を 22n にすると −3dB 点が 1.6kHz から 7.2kHz に上がります。[適用]
Q1 のコレクタ電圧は 4.6V。9V 電源に対しておおよそ中点です。
部品ライブラリ
同じ回路でもトランジスタを替えれば音は変わります。Rosso は部品ごとに hFE や接合容量、 真空管なら Koren 係数といった実際のパラメータを持っているので、 AC128 と BC109C の違いも、 12AX7 と 12AT7 の違いも、置き換えて聴き比べられます。
パラメータの細かさは分野によって違います。真空管158点は115通り、オペアンプ160点は107通りの 独立したパラメータを持ちます。一方ゲルマニウムトランジスタ180点は hFE と漏れ電流の等級で 36通りに分けているため、同じ等級の型番は同じ挙動になります (公開されている実測値が乏しい領域なので、値をでっち上げないための割り切りです)。
AC128・OC44・NKT275・AD149・MP38 など180点。低い hFE、大きな漏れ電流、1.5MHz しかない fT まで持つので、あの丸さと不安定さが出ます。
12AX7・EL34・KT88・6L6GC・300B・2A3 など188点。Koren モデルで動くので、プリからパワー段まで組めます。
MN3007・MN3005・MN3207・V3205D など33点。コーラス・フランジャー・ビブラート・アナログディレイの中核です。
JRC4558D・TL072・NE5532・TA7136AP など。GBW とスルーレートを持つので、帯域による差も出ます。
1N34A・1N4148・BAT41 のクリッピング差、2SK117・J201 のバラつき。歪みの質を決める部分がそのまま部品選びになります。
CD4013 によるサブオクターブ、SSM2164、NE570 コンパンダ、フォトカプラ、CdS、バリキャップ、サイリスタまで。
Lotus Engine
Lotus Engine は、回路を毎サンプル解くソルバです。Rust で書かれていて、 回路を節点方程式 (MNA) に組み立て、非線形な素子は Newton 法で解きます。 歪みの形は近似カーブではなく、ダイオードやトランジスタの式そのものから出てきます。
回路のどこか一箇所だけを先に解くことはできません。ある節点の電圧は回路全体に同時に 依存しているので、46種のデバイスを1つの行列に組んで一度に解きます。
右の波形とスペクトラムは、このページ上で実際に計算しています (正弦波 + tanh ソフトクリップの DFT)。 上下対称に潰しているので偶数次の倍音は出ません — 棒が1本飛びに立つのはそのためです。アプリ本体はこれよりずっと踏み込んで、 素子ごとの物理式を連立して解いています。
4DEM — 回路図の転写と診断
書籍やネットで見つけた回路図の画像を貼り付けると、4DEM が部品と配線を読み取って Rosso の回路として起こします。並べ替えずに元の図と同じ配置で置くので、 手元の図と見比べながら作業できます。
読み取りは複数回走らせて結果を突き合わせ、食い違った箇所に印を付けて提示します。 そのまま流し込まず、確認してから適用する作りです。組み終わったあとの改善提案 (どこに抵抗やコンデンサを足すべきか) も 4DEM の担当で、こちらは実測に基づいて出します。
AI の読み取りには Google Gemini の API キー (無料枠あり) をご自分で設定します。 キーは端末内にのみ保存されます。この機能を使わない場合、設定は不要です。
| 読み取れた部品 | 14 |
| 3回の読み取りで一致 | 12 |
| 食い違い (要確認) | 2 — R4 / C3 の値 |
※ 表示は機能の説明用の例です。読み取り精度は回路図の状態によって大きく変わります。
作る人のための機能
選んだ部品の状態を A と B に記録して、Tab キーで切り替えます。回路の他の部分は共通のままなので、 比べたい箇所だけが変わります。ポットを回すと、コンパイルし直さずそのまま音が追従します。
Shift+ドラッグで範囲選択、Ctrl+C / Ctrl+V でコピー。段数を指定してグリッド状に複製もできるので、 多段クリッパーやラダーフィルタを一気に並べられます。
クリックで切り替わります。数値は各型番の収録パラメータです。
オーディオ入力から生の信号を流せます。撥弦のシミュレーション、サイン波、矩形波、ノイズ、手持ちの音声ファイルも入力にできます。
1×12 オープンバック / 4×12 クローズドバックを後段に置けます。スピーカーを通した後の音で判断できます。
標準から 8× オーバーサンプリングまで。組んでいる間は軽く、詰めの段階で上げる、という使い方ができます。
RCフィルタから Marshall 1959風プリ (12AX7×3)、オクターブファズ (CD4013)、リングモジュレータ、クリーンなオクターブアップ、シンセのVCFやサンプル&ホールドまで。改造の出発点に。
回路はテキストの JSON。差分が読めるので、バージョン管理にも人に渡すのにも向いています。
新しいバージョンが出たらアプリが知らせます。ダウンロードし直しは不要です。
エフェクター自作と Rosso
エフェクター自作でいちばん惜しいのは、組み上がってから「思っていた音と違う」と分かることです。 部品を注文して、届くのを待って、基板に載せて、鳴らして、また外す。Rosso はこの往復を、 回路図の段階で済ませておくための道具です。
ゲルマニウムトランジスタは同じ型番でも hFE と漏れ電流のばらつきが大きく、通販では選べません。Rosso は等級ごとのパラメータを持っているので、どのあたりを狙って発注するかを先に決められます。
GND が無い、電源が短絡している、オペアンプの電源ピンが浮いている、電解コンデンサが逆向き — こうした失敗をリンターが回路図の段階で指摘します。基板に載せてから探すより、ずっと速い。
「⚙ 定数提案」は E12 系列を実際にシミュレーションしながら探索します。音量重視・クリーン重視・歪み重視から目標を選ぶと、抵抗やコンデンサの組み合わせを出します。実機なら1回ごとに半田を外す作業です。
本やネットで見つけた回路図の画像を読み込んで、編集できる回路に起こせます。付属の14種のプリセットも、そのまま改造の出発点にできます。
ダウンロード
バージョン 1.4.0 ・ 個人利用は無料 ・ 回路データは端末内に保存されます。
配布物に署名を付けていません。
そのため初回起動時に OS が警告を出します。macOS では
アプリを右クリック →「開く」を選ぶか、システム設定 → プライバシーとセキュリティ から許可してください。
Windows では SmartScreen の「詳細情報」→「実行」で進めます。
macOS で「"Rosso"は壊れているため開けません」と出る場合。 v1.3.4 以前の macOS 版に起きる不具合で、アプリは壊れていません。この表示のときは 右クリック →「開く」では回避できないので、ターミナルで次を実行してから開いてください。
xattr -cr /Applications/Rosso.app
v1.3.5 以降では出なくなります (出た場合は上のコマンドで通せます)。
macOS 版は Apple Silicon 専用です。 Intel Mac 向けのビルドはまだありません。
回路シミュレーションは CPU を使います。大きな回路や高い精度設定では負荷が上がるので、 必要に応じて品質設定を下げてください。